こんにちは。梅の花がちらほら咲いてきました。春はもうすぐそこまで来ているようですね。坪井です。
竹中大工館の喫茶室の建設と造園でしばらく同じ現場で仕事をさせてもらっていた、すご腕の大工さんのお誘いで1月13、14日に開催されたはつろう会に参加させてただきました!
今日ふつうに使われているノコギリや台カンナが登場する以前に使われていた大工道具であるマサカリ、チョウナ、槍カンナがこの会の主役です
(槍カンナは撮り忘れていたので検索してね)
これらをつかって木を斫(はつ)る技術を継承するのが、はつろう会です。 「斫る」とは表面をそぎとる、削りとるという意味です
マサカリだなんて昔話の金太郎でしか聞いたことがなかったので立ち木を切り倒す以外にどう使うんだろうと思っていました。
ノコギリがない時代にはこのように丸太をマサカリでばっさばっさはつって角材にしていったそうです。
実際やらせていただきましたが、やはりものすごい重い!思い通りのポイントにめがけて振るのがまずできませんでした(^^;)
しかし熟練の職人さんはマサカリひとつでデコボコの表面をきれいに平らにならしていくんだから驚きです!
マサカリで大体平らになったら次はチョウナの出番です。湾曲した持ち手の先にハマグリのような刃がついている道具です。
大工のみなさんは簡単そうに表面をぽこぽこはつってさらにきれいにならしていっていましたが、僕がやるとひっかかりまくったり、足をぶった切りかけたりとこれまた非常に難しかったです。
槍ガンナもやらせていただけるようでしたが時間がなくて断念。その名の通り槍のような刃物で削りとる道具です。
ここで聞いた話ですが法隆寺の木材は槍ガンナ仕上げで、実は台カンナより撥水性に優れたりしているそうですよ~
名栗という床柱につかうような銘木もこのチョウナで模様をつけて作ります。
うちの作業小屋になぜかチョウナがあったので近々挑戦しようと思います!
ほかにも大鋸も触らせていただきました!
とてもいい勉強になりました。来年のはつろう会にはMYチョウナできれいにはつりまくって大工さんらを驚かせられたらいいな~
ではではまた次回~
新年あけましておめでとうございます。
2018年も いのはな夢創園 をどうぞよろしくお願い申し上げます。
去年の半ばから私、猪鼻一帆がブログをお休みさせて頂いておりましたが、本日から復活です!
日々の仕事に追われ書く時間がなかったと言い訳をしておりました。
しかし、ブログで私達がどのような想いで仕事をし、どうやって庭という空間が生まれるのかを伝える
ことも大切な仕事(そのようなことを奥様にこっぴどく怒られました・・・)
私は、拙い文章しか書けませんが、ゆっくりと自分の言葉で書いていきますので宜しくお願い致します。
伝えることの大切さ。
私が日々お仕事をさせて頂いているお客様に庭が嫌いな方はおられません、当たり前と言えば当たり前なのですが。
しかし、植物の美しさや緑を楽しむことを庭師が庭を通して伝えられたら、庭に興味がなかった方でも楽しめるのではないかと。
抹茶アイスは好きだけど、茶道はなんだか難しそう。
植物は好きだけど、庭は何を楽しんでいいのかよくわからない。
そんなイメージです。
口下手な私でも庭の楽しさを伝えるならば任してください!
日々私自身がとても楽しんで庭と遊び、そればっかり考えておりますから。
話が脱線しました、本題に戻ります。
私の友からの誘いで「保険医まつり」というお医者さんの協同組合のお祭りでワークショップをさせて頂くことになりました。
内容はお任せというので、色々考えた結果、皿庭創り、カラーサンド、剪定講習の3つ。
数種類ある手のひら大のお皿に、苔のついた石と植物、それと数種類の苔を使って庭を創っていただきます。
どのくらいのお客様が来るのか想像できなかったのですが、始まってみると2日間とも大盛況。
途中でお皿を買いに走るほどの方がワークショップに参加していただきました。
皆さん、自分の選んだお皿に、石を「あーでもないこーでもない」と配置して、植物を植えたときにガラッと変わる石の表情。
それに苔を植えるとまた景色が変わります。
石も植物も、一つとして同じものがない中から自分で選び景色を創る喜びを楽しんでおられました。
沢山の方が創られたものを見ていると、本当に個性があり、そのどれもが驚くほど良い出来です。
大人になっても土を触り、何かを植えるって誰もが楽しいんですね。
カラーサンドは、私の友達「浅野生衣」さんが名古屋から駆け付けてくれました。
この他にも植物を使ったワークショップで全国から声のかかる有名人なんですよ。
こちらは女性の方に大人気でした。
カラーサンドも仕上げに自分の好きな動物を選べました。
前日に練習として、うちの娘(3歳と7歳)にカラーサンドをしてもらうと楽しくて仕方ないようでした。
ワークショップに参加していただいた女性の方々も、うちの娘と同じキラキラした目で楽しそうでした♪
2日間させていただき、私達もとても楽しかったです。
「庭の見方が変わりました」や「苔は触り心地が最高」など嬉しい言葉をいただきました。
これからもワークショップを続けていこうと思います。
私の仕事は、数十階のビルを作ることは出来ません、人の命を直接救うことも出来ません。
でも私は、庭を創るこの仕事を誇りに思っています。
猪鼻一帆
お庭のつくばいの水が凍てるほどに冷え込んできました。
朝がつらい。こんばんは坪井です。
今年も残すところあと3週間と少しですね~ 皆さまはどうお過ごしでしょうか?
おかげさまで弊社は年末の剪定やかけひ、結界等の取替えなんかで休む間もなく忙しくさせていただいております!
さて、今回は藤井寺の料亭のお庭の続きを書かせていただきます。
弊社の作庭以前は、タイル張りの花壇の中にサザンカと青石が並べてありました。花壇ごと取り壊し、ご覧の通り水鉢と駒寄せという景色につくり変えさせていただきました。
今回使わせていただいたこの水鉢。珍しい形をしていますね。インドネシア産で粘板岩の一種、だろう。とのことです。
加工はほとんどせず、岩盤からはく離した形のまま水鉢として使っています。
この水鉢の真上の天井から水滴がぽとぽと落ちる仕掛けが施されてありのですが、
それに加え、お施主様のアイディアで後ろにシュロチクを植えさせていただいたのですが、これによって水滴がいったん葉をつたって水鉢に落ちるというなんとも風情ある景色となりました。
このセンスにはほんと脱帽です。お施主様といっしょになって作るというのは大事だなと改めて感じさせていただきました。
駒寄せ。今回はよくお世話になっている竹屋さんに特注でつくっていただいたものです。駒寄せがあることで一気に京都らしい風景になりますね。
ぼくもそのうち自作してやろうと思います(^^)ゝ
さて次回がついに本庭です。親方が隠し持っていた二つのお宝が満を持してお嫁入りです!お楽しみに~ 坪井
紅葉が見ごろの時期になりましたね。やはり見所の多い京都はいつも以上に観光の方々で賑わっていますね~
「紅葉は庭のごちそう。葉は大事にするように。」とこの時期の剪定をするときに親方からよく言って聞かされます。
下の写真のお宅のお庭に剪定に入らせていただいた時に、きれいに頭から赤く色付いたモミジを見てまさにその通りだなあとおもいましたね~
愛情をもって一年間見守ったご主人への”ごちそう”と呼べる庭の醍醐味ですね!
剪定に入らせていただく度に、驚くほど綺麗に掃除や草引きをしていただいているこちらのお庭。木々もそれに応えるかのように強く美しく育ってくれています。
もみじがあまりにも綺麗だったため藤井寺の料亭のお庭の続きを一個飛ばしてしまいました笑
そちらはまた次回に書かせていただきます!お楽しみに~ 坪井
少し前ですが藤井寺市の料亭のお庭の紹介をさせていただきます。坪井です。
メインの庭は次回以降のお楽しみということで、今回は入り口部分のあられこぼしの紹介をせていただきます。
細かい作業が大好きなものでしてこういう記事ばかりなきがします(笑)
今回は石臼と伊勢ゴロタ石をちりばめたデザインとなっています。
お施主様と石臼の配置を相談させていただき据えてからは、ひたすら3~10センチほどのゴロタ石をモルタルで据えていきます。
隣り合う石とうまく合わせていくのは、さながらパズルやテトリスです。 あまり共感してもらえませんが、きれいにどんどん埋まっていくのは私にとっては本当に楽しいもんで、ほんと一日中できます(笑)
バランスよく大中小の石をちりばめることと、目地(石同士の間隔)をなるべく一定にすることがきれいに見えるポイントです。
ちらちら写っている黒い差し石や杉皮もそうですが、まだまだ施工させていただきましたので次回もお楽しみに。 坪井。
気付けばもう11月。忙しさにかまけてずいぶん更新をさぼってしまいました。坪井です。
神戸へ泊りがけで出張庭造りをさせていただいたり、大阪でワークショップをさせていただいたりと忙しくも楽しい日々を送らせていただいております。
さて、今回は得意先様の竹垣や かけひ の取替えと共に井戸蓋も一緒に取替えさせていただきました。
当日台風直撃により現場で時間が取れなかったので急遽アパートの自室で作ることに・・・。
小竹を寸法通りに切って、上から見てまっすぐに見えるように並べます。縄が通るとこにあらかじめ線を引いておくときれいな縄のラインがでます。
あとはひたすら ”とっくり結び” をかけまくります。一本一本ぎゅうぎゅうにしめながら~・・・
せまいアパートの室内ということに苦戦しながらも完成です。これを井筒の上にかぶせてあげます。
これだけでもなんだかおしゃれな感じがしますね~竹ってやっぱりいいもんですね!
今回の唯一の遊びどころの取っ手部分。男結びを繰り返してだんご状にして握り持つ取っ手にしてみました。ちょっと引っ張りすぎて最後の竹の部分の縄が寄ってしまったのが反省点です。
(順序が逆ですが時間と場所がなかったので竹自体は最後に洗いました。)
染め縄っていう墨で染色した縄を濡らして使ったのでアパートのいたるところに墨の汁が飛び散ってしまいました(;д;)
大家さんとカーペットごめんなさい。笑
では今回はこのへんで。また次回もお楽しみに~ 坪井
最近は神戸や生駒、亀岡などあちこち飛び回って忙しくさせていただいております。
ブログ書くのもだんだん慣れてきました。こんにちは。職人の坪井です。
さて、ついに門灯が完成しました!
こんな感じです。(すいません写真これしかありません・・・もっと写真撮ればよかった・・・)
屋根は焼いた板の上に杉皮を葺き、窓には加工したすりガラスをはめ込み、ライトやインターホンの電気配線し・・・
思ってたより時間がかかりましたが、どうでしょうか。高さは250センチくらいあります。
自然石や雑木をふんだんに入れさせていただいたお庭ですので、アルミ等のしつらえの門灯よりも風景によくなじんでますね。
お施主様も大変喜んでいただいたのでなかなか大変でしたが本当に作った甲斐があります(^^)
柱の部分を石灯篭のようにふくらみやくびれを入れると、またおもしろいものができるんじゃないか とか、
もっともっと変態的な細かい模様をいれてはどうか とか、完成したそばから次作のアイディアがどんどん沸いてきます笑
まだ何を書くか決めてないですが、次回も見てくださいね~ (わかりやすいようにもっとたくさん写真とっときます汗) 坪井。
9月の下旬ともなると、暑さも和らいで気持ちのいい季節となってきましたね。
こんにちは、2度目の投稿となります。夢創園の職人の一人、坪井です。
前回の続きで、枕木部分に模様をつけていきます。
―――チョウナ(孫の手みたいな大きな彫刻刀)やスプーンのような彫刻刀などいろいろ引っ張り出して、
どのような模様にするかお施主様と親方と、時々ぼくとで模索中―――
話し合いの結果、画像左上の模様をつけていくことで決定!
物自体が大きい上、少し細かい模様のため、今回はベルトサンダーという電動やすりで削り彫っていきます。(※二、四枚目上部の青い機械)
ラインがずれないようにチョークで線を引いてから、ひたすら削っていきます。
模様に立体感がでるまでそこそこ深く削らなくてはいけないのですが、やはり栗の木!硬いかたい(涙)
また削りとるので粉まみれになりながらの作業となりました(涙)
ですが私、こういう細かい作業大好きです。(笑)
時間を忘れて削り続けること半日をかけ・・・
表・・・ラインがそろっているときれいに見えます。
裏・・・表とは違ったトラ柄のような表情を見せてくれました。
側面・・・反対側も同じです。
無事作業完了しました!
我ながらうまくいきました。他所にはないものが出来上がりそうです!
次回はついに仕上げです。この一本の柱がどのような姿になるのでしょうか(^^) 坪井。
盆に和歌山に行ってきた話の続き
京都に帰る前に和歌山駅から数分の所にある「和歌山城」に寄って行くことにしました
和歌山城は戦時中に焼失し、今ある姿のお城は再建築されたものなんですね。
中は観光向けに改装されており、城の瓦や当時の武士の甲冑のレプリカが飾られてたりと、美術館の様な感じでした。
最上階からは和歌山市街を見渡せます
◆和歌山城の石垣
個人的に一番気になったのが石垣
和歌山県と言えば「青石」の産地として有名なんですけど、その青石がいたるところでふんだんに使われていて驚きでした。
一番初めの建設が天正13年(1585)当時は緑色片岩(紀州青石)を中心とした結晶片岩を用い、加工をせず自然石のまま積まれた石垣。(野面積み)
加工をしていないので石の凹凸が出す影が立体感をだし、石の粗さが迫力をだしますね。
慶長5年(1600)この頃に城の大規模改修があったようで、新たに積まれた石垣もまた全然表情が違っています。
石材は結晶片岩から砂岩(和泉砂岩)へと移行し、石積みはこの頃には加工を施した積み方で、石を「接ぎ」合わせて積む「打ち込み接ぎ」と言う積み方。
前日行った友ヶ島の虎島に石切場がありましたが、ここの石積みはそこから採っていたとか。間近で見られなかったのが悔やまれます。
元和5年(1619)に更に城の増築がされ、石積み技法もまた変わっています。
「打ち込み接ぎ」よりも精密に加工して積んだ「切り込み接ぎ」の石垣になり、石の合端もきちっと合ったものなっています。
最初の建築からおよそ50年程ですが、こうも石垣の技法が変わるものなのですね
和歌山城だけで3種も異なる石積みが見れると思いませんでした。
個人的には建設当初のの自然石をそのまま積んだ石垣が一番好きな雰囲気でした。
◆その他の写真
一面に敷かれる青石
産地だからこそできる贅沢な使い方だなぁなんて思って見ていました。
御橋廊下
江戸時代には藩主とお付の者だけが藩の政庁や藩主の生活の場である二の丸と紅葉渓庭園のある西の丸を行き来するために架けられた橋。
斜めに架かる橋の為、足元には滑り止めの段差が付いていました。
池の色がアレですけど、滝組のある良い感じのお庭でした。
かなり段差のあるお庭で、段差のある飛び石を上がった先には待合があったり。
茶室までの距離がそこそこあって、段差もかなりあったので茶庭としては珍しい感じでした。
◆またいずれ~
初めて和歌山に来たんですけど、観光どころを知らべてみるとやはり寺院が多い印象でした。公共の交通機関よりも車であちこち回った方が良さそうな感じもします。
今回は友ヶ島に行くのが目的だったので2・3泊で早々に帰ってしまいましたが、今度はまた別の機会にしっかりと時間を行ってみようと思います。
和歌山城はついで程度でしたが、その土地ならではのもが幾つも見れて勉強になりました。そういう視点で色々見てみたもっと面白いかもしれませね~。
記;西村
こんにちは。夢創園の職人の一人の坪井と申します。これから週一くらいの頻度で記事を書かせていただきます。
文章を書くのが学生ぶりなので、初めのうちはどうか温かい目で読んでいただけたらありがたいです(笑)
さて、今回は門灯作りを任せてもらいました。メインの素材は栗の枕木と御石のカズラ石です。サイズはほぼ同じ。
うまいことオスとメスに切り合わせてドッキングさせて一本の柱にします。
始めに真ん中に同じ幅、長さの線を引いて。
カズラ石はその線の内側をくりぬきます。石切用の刃をつけたサンダー(グラインダー)でちゃちゃっと挽きめを入れて、石ノミでこつこつはつって。…思ってたより早く完了!
さ、次は枕木。引いた線の外側を取っ払います。電動丸ノコで即完了~!
・・・・・と思いきやぜんぜん刃が芯まで届かない。泣く泣く普通のノコギリでかったいかったい栗の木を挽く羽目に…。
(この枕木の硬さには次回も泣かされます…笑)
ともあれ、膨大な時間とカロリーを消費し、無事ドッキング成功!
画像で若干ネタがばれてしまってますが、次回は扁平な枕木に模様をつける様子を書かせていただこうかと思います。
坪井。