今年の京都はあまり寒い日もなく、庭師の私達には有難いことです。
例年でしたら寒さに弱い私はダルマのように着込んで仕事してますから、動きにくくて仕方ない・・・。
庭師の冬は何の仕事をしていると思いますか?
庭をつくるだけが庭師の仕事ではありません。
冬は今年の庭を元気よく自由に木々が生きてくれるように、植物の声を聴く時期です。
庭は一つの空間ですが植物は一種類だけではありません。
木によって欲しがっている栄養も違うのです。
栄養だけではなく、土の状態、病気、害虫など、ひとつひとつの木を診断して適切な対応をします。
これを「寒肥」と言い、ただ肥料を入れるだけではないのです。
もう一つ大切な事は、木を大きくすることが目的ではない事。
広大な庭ならそれも必要ですが、いまのライフスタイルに適した庭は木が大きくなり過ぎることは、お客様にとってストレスになってしまうことがあります。
木も生き物ですから、成長するのが定め。
そのバランスを取ってやるのが庭師の仕事です。
大きく成長させるのではなく、葉を充実させたり、花をよく咲かせてあげたり、実付きを良くするなど、木にとって他のメリットを与えてあげることにより背が高くならずとも
木は納得してくれて元気に育ってくれます。
元気な木でないと人は癒しを得ることは出来ません。
こちらの紅梅。
今にも蕾が零れ落ちそうですね~。
まだ寒い時期に庭の先駆けとして咲く梅の花が大好きです。
木は人と違い年齢を言い訳にしません、幼いころも、100年経っても真っ赤な花を咲かせます。
葉も出ていない冬の庭に、赤い蕾がなんともエロティックですね♪
冬が袖振る 春近く
100歳かわらず蠢ひて
赤く膨らむ恋心
猪鼻一帆